2011/01/14

第23回MS 土居 清美氏/支援とは何か?

タイトル:支援とは何か?
講師:土居 清美氏/認定NPO法人タヤマ実践カレッジ 理事長
日時:2011年1月21日(金)6:30~7:30
会場:逗子キングプラザ4F

土居 清美氏 プロフィール
1959年生まれ。北九州出身。小倉高校、山口大学卒業後、リクルート入社。
その後、独立し現在に至る。

平成19年にカンボジアに赴任。日本語学校を立ち上げる。平成21年にはチェンマイに2校目を立ち上げ、現在は日本と現地を往復している。
認定NPO法人タヤマ実践カレッジ Webサイト


本日は、認定NPO法人タヤマ実践カレッジ理事長 土居清美氏を講師にお迎えした。タヤマ実践カレッジはタヤマ学校が母体となるNPO法人で、現在日本に存在する約4万社のうち、200社程度(0.5%)のみに与えられる、"認定"の冠をもつNPO法人である。タヤマ学校は43年の歴史を誇る日本有数のビジネススクールであり、当会にも卒業生が数名在籍している。今回はそのご縁で講話実現したと言う訳だ。

タヤマ学校は「人はどんな人でも能力を持っています。決して能力のない人はいません。自分自身の能力を最大限に引き出し、自分自身の成功と価値ある目標を持つこと、その出発点に立つことをタヤマ学校は原点」として数々の教育プログラムを実施しており、2,500社、6万5千人以上の卒業生を輩出。その多くの卒業生である経営者、従業員が様々な業界で活躍をしている。

田山敏雄氏は経団連の会長も務めた土光敏夫氏の秘書を経験後、独自のセールスノウハウを駆駆使し、ブリタニカのトップセールスマンまでに登り詰めた。昭和42年に現在のタヤマスクールをスタートし現在に至っている。まさに日本のビジネススクールの草分け的存在の方である。

タヤマ学校の40周年に田山校長が、念願であった海外での学校設立をカンボジアで行う事を決め、帰国し、社員にカンボジア行きの志願者を募った際に、当時、タヤマ学校の社員だった土井氏は迷わずその場で挙手をしたそうだ。校長のあまりの突然の話に、他の社員は驚くばかりだったそうだが、土井氏は迷わずすぐに手を上げ、現地学校の責任者はその場で土井氏に決定した。土井氏はまさにチャンスの神様の前髪をすかさず掴み取ったのだろう。

しかし、その後は大変な日々を過ごす事になる。まずは家族の説得である。一年の多くを海外で過ごす事になるという決断をした後からの説得は非常に困難だったらしい。しかし、土居氏の熱意が家族の方々に伝わったのだろう、まずは娘さんが、カンボジア行きを肯定してくれるようになり、その後、奥様も了解してくれたそうだ。

その次の困難は開校までのハードな日程である。赴任後、開講までの期間は僅か一ヶ月!。その間に自分の住む場所はもちろん、学校施設の場所を決め、賃貸契約を済ませ、生徒を募集し・・・そして、田山校長からのもうひとつの大きなミッションである、カンボジア政府公認となり、調印式を行うと言うのだ。しかも運が悪いことに、丁度土居氏が赴任した4月は現地の正月となり、約一週間はほとんど何も出来ない空白期間となってしまったそうだ。

しかし、土居氏はリクルート時代に培ったガッツとパワーでこれらの困難なミッションを遣り遂げ、一ヶ月後の調印式は政府関係者や田山校長をはじめ、日本の関係者の多くも参加し、盛大に執り行われたそうだ。このニュースはカンボジアでもその日のトップニュースとして、TVなどでも大きく報道された。

タヤマ実践カレッジは、学びたくとも学べない、働きたくとも働けない若者達に、学ぶ場と働く場を提供し、彼らが将来自国の発展に寄与できる人材へと育成する学校であり、日本語を含め、日本の文化や習慣が学べ、しかも学費が無料であると言うこともあり、応募が殺到したらしい。その数定員250名に対し、1200名以上の応募があったそうだ。中国にGDP2位の座を奪われ、国全体が自信を失いかけているように感じる日本であるが、カンボジアへのODA拠出額世界一である日本の事は現地でもよく知られており、日本への感謝と憧れの気持ちは多くの人々の心に浸透しているそうだ。

ポル・ポト政権下で多くの知識人たちが大量に虐殺されたカンボジアは再生に向け踏み出しているが、そんな中でやはり重要になるのは教育であることは間違いない。今だ多くの人々が貧困に喘ぎ、満足な教育を受けられるはほんの僅かな人たちに限られる。平均年齢22.1歳(2008年推定値)は日本の約半分。平均寿命も50歳に満たないカンボジアは高齢化に苦しむ日本とは全く逆の若い国である。現地の人々の目はキラキラと輝いているそうだ。戦後の復興期の日本のようだと田山校長は語ったそうだ。

そんな中でタヤマ実践カレッジが果たす役割は非常に大きいのではないだろうか。学生たちの様子をDVDで見せて頂いたが、彼らにとってこの学校は希望の光なのだ。彼らの活躍とカンボジアの再建が早期に実現する事を祈りたいものだ。

タヤマ実践カレッジはタヤマ学校の卒業生の方々の善意によって運営されている。しかしカンボジアに続き、チェンマイ、そして近日ラオスへの展開を考えている状況では資金は充分と言えず、多くの方々の更なる善意を募っているそうだ。

寄付はもちろんだが、募金箱の設置など、様々な支援の方法が用意されているので、出来る事から実践して行きたいものである。

最後に、支援とは何か?土居氏は「最初は一方通行のものかと思っていたが、支援する側は、支援される側から、多くのものを与えられる」と語る。支援とはする側も、される側も多くのものを与えられるものなのだ。「人の喜び、我が喜びに・・・」 本当の支援を実践できた時、我々は多くの喜びを頂く事が出来るのであろう。土居様、本日はありがとうございました。

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