2011/03/04

第29回MS 新井 信昭氏/私の人生における3回のリセット

タイトル:私の人生における3回のリセット
講師:新井 信昭氏/新井国際特許事務所 弁理士/(株)グリーンアイピー 代表取締役
日時:2011年3月4日(金)6:30~7:30
会場:逗子キングプラザ4F

本日は弁理士の新井信昭氏を講師にお迎えした。新井氏は現在大学でも教鞭をとられているとの事で、滑らかな語り口で、3回の人生のリセットを語って頂いた。


新井氏は昭和35年大田区の生まれで福生で育った。当時横田基地にはB29が飛んでいたそうだ。高校卒業後、アルバイトとして西友デパートに勤務するも、幼なじみからみせられた大学の卒業証書に衝撃を受け、このままじゃ行けないと思ったのが22歳の時。その後、第一回目の青春のリセットとなる世界一周旅行を思いつく。通常の勤めに加えて新聞配達、その後タクシー運転手などに従事し、1年間で180万円を貯め、世界一周旅行を実現させた。世界旅行の最中で印象深かったのは、イスラエルで、そこにはバナナやアボガトの栽培、収穫などのアルバイトをしたそうだ。その後、当時国交の無かったエジプトとも滞在中に国交正常化が実現し、エジプト、マカオ、香港などを経て1年間の世界一周旅行が成功した。

帰国後、社会復帰をすべく、1年間の海外生活や横田基地の近くで育った事から、英語の力を見込まれ、秋葉原の免税店に就職。そこで5年間働き、その間にそこで奥様と出会い結婚し、お子様も生まれた。しかし、その仕事が天職ではないと感じ始め、家族の事や将来の事を考えた時、またリセットの時がやって来た。

都立高校卒業の学歴では、なかなか活躍の場も限られており、悩んだが、当時少しづつ話題になりつつあったライセンスビジネスというキーワードから、弁理士を目指す事にした。同級生に対するライバル心もあり、資格を取得して彼を見返したいという気持ちもあったそうだ。今でさえ1万人以上の弁理士がいるが、弁理士は当時(平成5年)は3,500名程度しかおらず、毎年の合格者は100人程度、合格率2.8%の狭き門だった。新井氏は途中諦めることなく8年間をかけてその資格を取得した。なんと弁理士を目指す事を決めた時にお腹の中にいた息子さんが、合格した時には小学校3年生になっていた。その間は仕事の傍らと週末は図書館通い続け、勉強、勉強の8年間だったそう。
合格後は、弁理士事務所に勤めるも、大学へ行き、いつか教壇に立つという夢はいつも忘れていなかった。サラリーマン時代に芝浦工業大学の試験に合格し、当時務めていた事務所の理解もあり、同時期に独立し、自身の事務所も立ち上げる。実はその資格を取ることで、ある程度時間が自由になる事から、大学へ通うことも視野に入れていたのだった。息子さんと同世代の学生たちと苦しくも楽しい学生生活を過ごし、20世紀中に大学を卒業するという目標も達成した。

そして第三のリセットはやはり密かな目標でもあった教壇への道だ。芝浦工業大学の近くに、東京農工大学大学院があり、弁理士という資格取得者である事も手伝って第二期生として見事合格。その後、教壇へ立つという夢を恩師に話したところ、その先生は「君たちの夢を叶えるのが私のミッションだから」と言う言葉通り、教壇に立つ機会を与えられた新井氏は、現在、東京農工大学にて教鞭をとっている。

現在、「知的財産マネージメント」を学生に教えているが、その実、人生はリセットがきくものであるという事も同時に教えている。昨年の日本国内の自殺者がまた3万人を超し、特に就職が出来ない事を苦にした学生の自殺が増えている事に、新井氏は非常に残念な思いを抱いているそうだ。

20代前半にタクシーの運転手時代に接客業で経験した事が、その後の人生に大きな影響を与えていると言う。そこには人生の縮図があると言う。多くのお客を乗せていると人には4つのタイプがある事に気付いたそうだ。1)教養も無く、人としても最低 2)教養は無いが人として素晴らしい 3)教養はあるが、人としては× 4)教養もあり、人としても素晴らしい。
新井氏は4)のタイプの人になりといと常々精進しているのだそうだ。

新井氏が学生に良く話している事がある。ハンディキャップは乗り越えるためにあると。新井氏が受けた弁理士資格も殆どの合格者が旧帝大と早慶の学生や卒業生ばかりのかなで、試験に合格するという事はかなりのハンディだったと思うが、それを克服した時にはアドバンテージに変わるのだ。

また、就職に関する相談も少なくないようで、縁があって入っる事になった会社はきっとあなたにとって良い会社である事は間違いない、しかし、もしそうでない時はリセットをすれば良いと話をするようにしているのだそうだ。新井氏のように多くの経験を積んで教壇にたった先生はエリートの先生に比べて魅力的に違いない。

新井氏の次の夢(第4のリセット)は現在在籍している大学院を卒業し、Drコース(博士号)の資格を取得し大学で教える事をライフワークする事だそうだ。

新井氏は過去のリセットについて軽快に、ユーモアを交えながらお話頂いたが、そのリセットを成功させた裏には並々ならぬ努力と苦労があった事は想像に難くない。正に実践をしてきた方なのだ。そのような人の言葉は重く、心に響く事を改めて感じた。参考になる話も沢山あり、非常に充実したMSとなった。新井先生には改めて心から感謝したい。感謝。

株式会社グリーンアイピー

新井国際特許事務所


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